純白の絹糸のような美しい被毛、その中にある絶妙な
コントラストの真っ黒い目と鼻。
まるで真っ白なぬいぐるみのように愛らしい、
それがマルチーズです。
そして、遊ぶことが大好きで、性格的にも甘えん坊さん
が多いんです。
それだけではありません!!
・シングルコートだから抜け毛が少なく飼いやすい。
・物覚えも早く、賢いので、しつけも入りやすい。
・それほど運動量を必要としないので、毎日お散歩に行かなくても大丈夫。
・誰にでも友好的なので、小さなお子様や高齢者のいる家庭でも大丈夫。
・いろいろなカットが楽しめる。
他にも、マルチーズは社交的で、誰にでも大変愛想がいいので、
マルチーズがいるだけでその場が明るくなります。
こうして”ムードメーカー”としての才能に優れたところも、
マルチーズの大きな魅力の一つです。
マルチーズは、3000年以上も歴史のある大変古い犬種です。
猟犬などとして小型化されてきた訳ではなく、最初から愛玩犬として飼育されてきた
犬種の中では極めて特異な歴史を持ち、「
犬の貴族」とも呼ばれています。
紀元前1500年頃、貿易中継点であった地中海のマルタ島に、
フェニキアの水夫たちが持ち込んだ犬が祖先だと考えられています。
当初のマルチーズは、船員がペットとして船の中で飼育していた事から、
貿易相手国に広まっていきました。
紀元前500年頃には、ギリシャの芸術工芸品や文献などに
マルチ-ズと同じような犬が多く描かれています。
アジアやヨーロッパ各地に持ちこまれたマルチーズですが、
マルタ島に残っていたものが、他の犬種と隔離された状態になった事で、
何世紀もの間、純粋な交配を繰り返されることになります。
こうして独特の歴史を受け継ぐ事になったのです。
1813年以降に、マルタ島がイギリス領となった頃から、マルチーズはイギリス王室の
愛玩犬として、ヴィクトリア女王はじめ、王室貴族に愛されるようになります。
これをきっかけに、上流階級の貴婦人たちの間でも「抱き犬」として
格別な人気を博しました。
”ギリシャ人はマルチーズのために墓を建て、ローマ人はマルチーズのために詩を詠み、
肖像を残した”と言う記録が、どれほどマルチーズが大切にされていたかを物語っています。
また、マルチーズがまさに「貴族」であった証拠に、エジプト歴代の王家で、
食事の際には金の器を用いた事が記されています。
フランスでは15世紀、ヨーロッパ諸国では19世紀頃から、
マルチーズは破格の高額で取引されたようです。
その後、アメリカでより愛玩犬としての質を高めるべく改良が重ねられ、
ショーに初出展されたのは1877年の事です。
1888年にはアメリカケネルクラブ(AKC)に登録されています。
日本に輸入されたのは1855年頃で、その後1970年代前半まで、
マルチーズ最大のブームが続きました。
その後もその気品ある容姿は支持され続け、
今でも人気犬種のトップクラスに位置しています。
1.マルチーズのスタンダード
犬のスタンダードとは、犬の純潔性を守るため、
その犬の理想の形態や気質などを細かく定めたものです。
ここでは、JKC(ジャパンケネルクラブ)が定める、
「マルチーズ」のスタンダードを大まかに記載します。
◎一般外観
純白な長い被毛におおわれた小型犬である。
被毛は真っ直ぐで、体の両側に一様に垂れ下がり、
その毛は鼻先から尾の付け根まで続いているが、
容姿は健康的で、均整美を表現していなければならない。
◎被毛(コート)
絹糸状の長い直滑毛が一様に全身におおい、
下毛(アンダーコート)はない
◎毛色(カラー)
純白が望ましい。
淡いタン、あるいはレモン色は許されるが望ましくない。
◎大きさ(サイズ)
オス・メス共に
3.2kg以下で、2.5kgを理想とする。
以上がJKCから抜粋した情報です。
マルチーズの外観的特徴として、純白の被毛に加えて、アイライン・鼻・唇・パッド(肉球)が
漆黒であることが理想とされていますが、近年はアイラインが完全ではないマルチーズが
一般的となり、パッドが漆黒である子も少なくなったようです。
現在でも、マルチーズの色素の改善を目的としたプードルとの交配が行われており、
縮れた被毛や、プードルレベルの体高を持ったマルチーズが増えているようです。
いろいろ見てきましたが、スタンダードからはずれている場合でも、
それはその子の個性であるといえますので、愛情をたくさん注いで育ててあげてくださいね。
ペットとして愛情を注いで飼う分には、スタンダードなんて関係ないですからね(*^^*)